年頭のご挨拶
レドックス分析で先制医療に関わり20年の節目
令和5年の新年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。年頭に当たり、本年が日本と世界の人々の安寧と歓びに満ちた年となりますことを切に願っております。
当社は「人々と地球の健康と繁栄に貢献する」という理念を掲げ、平成9年(1997年)2月に設立され、本年27年目に入ります。事業内容を年々広げつつ、企業活動の年輪を重ねさせて頂いておりますこと、これも皆様のお力添えのお陰と心より御礼申し上げます。
当社がイタリア製のフリーラジカル分析システムFRAS3の輸入発売を国内で開始したのが、ちょうど20年前の2003年1月でした。この20年間で1200以上の施設がこれらのシステムを導入くださり、医療機関、大学、研究施設から発表される論文数は年々増加し、今までに240本以上の論文が国内から発表されていると推定されます。酸化ストレス評価試薬と機器の普及活動を通じ、山門實先生が提唱される「先制医療」という予知・予防医療に当社が貢献できますこと、嬉しく存じます。
昨年の新しい試み:ミネラロミクス(R)
昨年は、長期化が予想される国内外の諸問題による原材料の高騰や、急激な円安などで、経営的には厳しい一年間でした。
しかし同時に「万事、塞翁が馬」の如く当社にとって、今後の新しい大きな流れが創り出された年でもありました。紙面の関係で2つご紹介させて頂きます。
その一つは、3年前より正式に開始した、日本初の酸化ストレスマーカー専門の受託検査機関「レドックス分析センター:Redox Research Center」ですが、人間ドックや健診施設などからの検体数が増加し、軌道に乗って参りました。そして、新しい試みとして、全血・血清からミネラル分析を網羅的に行う、「ミネラロミクス(R)(Mineralomics)」の分析体制が整い、昨年より受託測定を開始しすることが出来たことです。このミネラロミクス(R)は、今後の先制医療にとって重要なテーマの一つとなると考えています。
世界でただ一人、単独でノーベル賞を2度も受賞したアメリカの化学者、ライナス・ポーリング博士は「全ての病態、病気、病弊を追及すると、ミネラル欠乏にいきつく」と提唱されました。ミネラルは生命機能を支える3500種類以上の化学反応に不可欠です。しかし、現状の医療現場において、血液中の必須ミネラル・有害ミネラルを網羅的に正しい方法で解析することが行われていません。
3つのOMICS分析 ( Redoxomics / Lipidomics / Mineralomics )
「酸化ストレスマーカー分析」を中心として、一昨年より当社分析センター内で解析が可能になった「リピドミクス脂肪酸分析」、そして新しい「ミネラロミクス(R)分析」と、これら3つの分析を同時に行うことで、酸化・抗酸化バランスの問題が食生活による脂肪酸由来なのか、あるいは必須ミネラルの不足・有害ミネラルの過剰といったミネラルバランスの問題からか、または他の要因なのかがより正確に考察できます。
また、感染予防や免疫力向上においても、オメガ6系脂肪酸とオメガ3 系脂肪酸のバランス、生体内のミネラルバランスを整え、酸化ストレスを軽減して行くことは大変重要です。
昨年10月号のWismerll Journal Vol88において、福井大学医学部第一外科教授の五井孝憲先生から、酸化ストレス(d-ROMs 値)が低い患者さんは、大腸癌の手術後に癌の再発がほとんど起こらなかったことが報告されましたように、これらの分析データの解析を積み上げていくことで、今後、健康長寿増進に向けた新しい取り組みが医療機関や研究機関から提唱・展開されて行くことが期待されます。
本年も酸化ストレスマーカーの測定の普及と、そのソリューションの提供に社員一同、当社の社名に由来するWisdom 智慧、Mercy 情熱、Will 意志力を発揮し、全力で邁進する所存ですので、引き続き、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い致します。
皆様のご健康、ご多幸、そして益々のご活躍・ご発展を心よりお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。